書名:認知症になっても人生は終わらない 認知症の私が、認知症のあなたに贈ることば
■著者:認知症の私たち(協力:NHK取材班)
■出版社:株式会社harunosora
■発行年月:2017年4月
書籍内容
「できることを奪わないで。できないことだけサポートして」「徘徊ではない。目的があって歩いている」「何かしてほしいわけではない。ただ普通に生きたい」「私たち抜きに私たちのことを決めないで」「お医者さん、私の顔を見て話して」「認知症の人は普通の人です」……etc。本邦初、認知症と生きる本人たちが、自ら書いた本が出来上がりました。絶望なんかしていられない。人生は終わらない。たくさんの言葉には、認知症になって希望を失っている仲間に向けたエールと、社会に対する渾身のメッセージが詰まっています。
目次
認知症になったあなたに伝えたいこと[奥公一]
周囲に思いを伝える事が大切[町田克信]
日々、奮闘中![大城勝史]
症状とあなたの価値は無関係です[樋口直美]
私だから言えること、私しか言えないこと[曽根勝一道]
「上を向ういて」と口ずさみながら歩きます[村山明夫]
認知症になってよかったなと思える時がある[丹野智文]
これで生きていけるよ[福田人志]
私が認知症とは思っていなかった[鳥飼昭嘉]
すぐに介護が必要なわけではありません[平みき]
主な著者
丹野智文(たんのともふみ)
1974年、宮城県岩沼市生まれ。自動車販売会社に就職し、トップセールスマンとして活躍していた35歳の頃から客の顔がわからなくなるようになった。39歳のとき、若年性認知症と診断される。現在、仕事を続けながら、全国で講演活動も。
奥公一(おくこういち)
1941年、兵庫県芦屋市生まれ。高校を卒業後、石油会社に入社、営業一筋のサラリーマン生活を送る。定年退職してから、自分では記憶にないことで警察に事情を聞かれることが増え、前頭側頭型認知症と診断される。それまでの自分自身の不可解な行動が「病気だったんだ」と、ホッとした。
大城勝史(おおしろかつし)
1975年、沖縄県豊見城市生まれ。地元の高校を卒業後、自動車整備工として勤務。2008年、大手自動車メーカーの営業職に。2015年、アルツハイマー型認知症と診断される。現在は、営業職から配置転換、洗車を担当しながら仕事を続けている。
感想
僕自身、認知書=病気であり、介護保険を使用し介護を受ける必要があると思っておりました。僕も介護をしていく中で、介護はする側もされる側も同じ立ち場でいる事を心掛けております。ですが、実際は介護というのは、同じ立ち位置で提供する事は難しいです。人ひとりの人間性を尊重して介護をしなくてはいけないので、この本を読み、改めて介護をする側やされる側だけではなく、人ひとりを尊重しなければならないと深く考える事ができる作品だと感じます。
介護は老化にともなって必要になるだけではなく、若年性アルツハイマーなどもいつ、自分自身に起こりうるかわかりません。
ですが、この本に載っている方たちは、一生懸命に自身と向き合いながら人生を送っているのを感じました。ひとりではなく、みんなパートナーであるという言葉もすごく共感できます。
勝手ながら僕自身のお勧め本をご紹介致しました。