介護業界での履歴書の書き方
履歴書の前の準備物

●履歴書
●印鑑
●ボールペン
●証明写真
●資格証明書
手書きで書き印象アップ
最近はパソコンでの履歴書も増えてきましたが、介護関係の仕事は昔ながらの方が多い現場です。最新よりも古くからの物を大切に扱う傾向がありますので、なるべく手書きの方が印象を与える事ができます。
文字の丁寧さよりも熱意を持っているかが文字からも汲み取れます。
書き損じてしまった場合には、修正テープなどで直さずに、新しい履歴書に書き直しましょう。
修正テープを使っている履歴書は、あまり印象が良くなく、応募の意欲が低いのではないかと思われてしまうことがあります。
※どうしても文字に自信がない場合はパソコンでの記入をしても大丈夫です。
文字は丁寧に清書する
文字は丁寧に書きましょう。文字の綺麗さよりむしろ採用側は「文字の書き方」を見ています。例えば、雑な書き方ではないか、欄に対して文字が小さすぎないか、誤字脱字がないかなどです。
文字がその方の性格を表すと考える採用者も多く、上記のようなポイントは良く見られています。
鉛筆等で下書きをしてからボールペンで清書する様にしましょう。
空白や空欄は極力なくす
空欄がなく、丁寧に書いた履歴書からはやはりやる気を感じ取る事ができます。
逆に空欄が目立ったり、文章量が極端に少ない履歴書ではやる気を疑われる事になりますのでしっかり書きましょう。
誤字・脱字に注意
誤字・脱字があると、それだけで印象がマイナスに。また、間違えた文字を修正液や修正テープで訂正したり、線で消して書き直すことも避けましょう。
誤字・脱字ではありませんが、略字を使わないこと、日付の西暦・和暦を統一することも、大事なポイントの一つ。
もし間違えてしまったら、新しい履歴書にもう一度書き直しましょう。
黒のボールペン又は万年筆
書き損じた時、簡単に訂正できるからといって鉛筆書きはNG! 社会人としての常識を疑われてしまいます。
履歴書は黒のボールペンか万年筆で書きましょう。
ただし、消せるボールペンを使うと、熱や摩擦で文字が消えてしまうことがあるため、履歴書を書くときには消せるボールペンを使うことも避けます。
コピーの使い回しは避ける
手書きの履歴書をコピーするのは言語道断! 採用担当者に「うちは軽く見られている」と思われてしまうため、印象が悪くなります。
また、他の事業者から返却された履歴書を使い回すことも絶対だめ。使い回しは日付だけで簡単に分かりますし、採用担当者に他事業者に応募したことや、不採用になったことまで知らせてしまうことになります。
証明写真は必ず添付する
写真がないだけで、非常識だと思われてしまいます。証明写真添付の指定がない場合でも、必ず写真は添付しましょう。
写真は採用担当者が真っ先に目を止める部分と言われている、履歴書の重要ポイントの一つです。好印象の証明写真でイメージアップをめざしましょう。
証明書の写真は髪の色や長さを見ます。清潔感を持って写真を撮りましょう。また、スーツなど正装をして写真を取る事をおすすめします。

履歴書の書き方
①日付
記入日ではなく、履歴書を提出する日を記入してください(他の項目と西暦・和暦を統一すること)。
●郵送する場合
ポストに投函する日を記入する
●持参する場合
履歴書を持参する日を記入する
②氏名・印鑑
●氏名
楷書体で丁寧に記入する
●印鑑
・原則、シャチハタではなく、朱肉を使うタイプの印鑑を使う
・曲がらない(傾かない)ように注意し、朱肉がかすれたり、にじんだりしないよう、しっかり丁寧に捺印する
※最近は印鑑が必要ではないケースもあるが、押印欄がある場合は必ず捺印する
③生年月日・年齢
●生年月日
年の表記は他の項目と西暦・和暦を統一する
●年齢
「①日付」に記入した時点での満年齢を記入する
④現住所・連絡先
住所は省略せずに、都道府県名からマンション名・ビル名、部屋番号まで、きちんと正確に記入してください。
番地も「−(ハイフン)」を使わず、○丁目○番地○号と記入した方がいいでしょう。
また、ふりがなは漢字だけにふります(フォーマットに「ふりがな」とある場合はひらがなで、「フリガナ」とある場合はカタカナで記入)。
メールアドレスを記入するケースもあります。
●現住所
原則として、住民票に記載されている住所を記入する
●連絡先
・「現住所」と同じ場合は、「同上」と記入する
・現住所では連絡が取りづらい場合は、確実に連絡が取れる住所・電話番号を記入する
●電話番号
・日中、連絡がつきやすい電話番号を記入する
・自宅の固定電話と携帯電話を記入するのが一般的だが、固定電話だけ、または携帯電話だけでもOK
●メールアドレス
・基本的にPCのメールアドレスを記入する(携帯のアドレスは避ける)
・勤務先のメールアドレスは、転職活動をしていることが勤務先にわかる可能性があるので避ける
⑤証明写真
3カ月以内に撮影した証明写真を添付。
写真はのりがはがれて落ちることがありますので、念のため、写真の裏面に自分の名前を記入することをおすすめします。
写真はあなたの第一印象を左右する大切なポイントです。表情や服装にも気を配り、さわやかで健康的なイメージを伝えられるように工夫しましょう。
●撮影をする場所
・できるだけ専門のフォトスタジオか写真専門店で撮影する
→専用のスペースで撮影できる上、表情や顔の角度、服の乱れなどのアドバイスもしてくれる
・スピード写真(証明写真ボックス)はできるだけ避けた方がいい
→やむを得ない場合は、自分自身で表情や身だしなみに気をつけること
・背景は無地にする
●服装
・スーツが理想的だが、介護業界の場合はビジネスカジュアルでもOK(ジャケットの着用が望ましい)
・清潔感があるかをチェックする(シワやシミ、よごれに注意)
・髪の色が明るすぎる場合は、暗めの髪色に戻す
・ 女性の場合、清潔感のあるメイクを心がけ、派手なアクセサリーをつけないこと
⑥学歴・職歴
「学歴」と「職歴」の項目ごとに分けて記入し、最後の行の右端に「以上」と記入します。
年月は、他の項目と西暦・和暦を統一してください。
●学歴
・学校名は正式名称で記入し、県立・私立なども書き忘れないこと
[例]県立○○高校 → △△県立○○高等学校
・小学校と中学校は卒業年月のみを記入する
・高校と大学は入学・卒業それぞれの年月を記入。学部・学科・専攻も記入する
《スペースが足りない時は?》
最終学歴の一つ前から記入してもいいが、同郷・出身校が同じなど面接時の話題につながることもあるので、書いた方がいいでしょう。
《介護や福祉と関係のない学歴を書いてもいいの?》
介護・福祉業界では学歴よりも、やる気や考え方などの人間的な部分が重視される傾向があります。あなた自身をよく知ってもらうために、ぜひ書いてください。
また、今までの介護業界にはない能力を持つ人材として評価する事業者もあります。
ただし、まったく違う業界から介護・福祉業界に転身する場合は、その理由を面接などで明確に伝えられるように準備しておいた方がいいでしょう。
●職歴
・会社名は正式名称で記入する
[例](株)→ 株式会社 /(福)→ 社会福祉法人 /(医)→ 医療法人
・所属していた部署(事業所・施設)や担当していた職務(職種)を記入する
[例]○○○○ホームに配属 サービス提供責任者を担当
《職歴はどこまで書けばいいの?》
正社員・契約社員の職歴を記入すれば問題ありませんが、基本的にはすべての職場を記入した方がいいでしょう。
派遣やパート・アルバイトでも、応募する仕事へのアピールにつながる経験なら、その職歴を記入することをおすすめします。
ただし、あまり短期間の場合は逆効果。少なくとも2カ月以上の勤務であることが目安でしょう。
短期で辞めた職場については経歴に加えてなくても大丈夫?
「試用期間で辞めた職歴については履歴書に書かなくてもいいですよね?」
「社会保険に加入する前に辞めた職歴については履歴書に書かなくてもいいですよね?」
といった質問を受けることがあります。
短い職歴については、やむを得ない事情があったとしてもやはり印象が良いものではなく、隠してしまいたいと思う気持ちも理解できます。
履歴書に各職歴については、どういったケースは書かないといけなくて、どういったケースは書かなくてもよいのかが法律で決まっているわけではありませんので、良いともダメとも答えづらいというところです。
どちらかというと、良い悪いというよりも社会保険の加入や厚生年金の加入の実績があると、その履歴によって隠してもばれてしまう、というのが実際です。
しかし、採用する側の介護施設や訪問介護事業所としては、「経歴を詐称して応募してきた」と思う可能性があり、入職後のトラブルの原因になってしまうかもしれません。
基本的には短い職歴についても履歴書に記載し、早期で退職してしまった理由をちゃんと説明する、今回は長く勤める覚悟があることを伝える、という方が無難であるかもしれません。
⑦免許・資格
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員などの資格を、取得日が早いものから順番に、取得日とともに記入します。
資格名は通称ではなく正式名称を書きましょう。また、法改正などにより、取得時と資格名と変わっている場合があるので、必ず確認してください。
基本的には、すべての取得資格を記入しますが、多数の資格を取得している場合は、介護・福祉系・医療など応募する求人に関連する資格のみに絞った方がいいでしょう。
逆に取得資格が少なく、現在取得予定(勉強中)の資格がある場合は、その内容を記入しましょう。
[例]○○資格取得のために勉強中(または受講中)
*間違いやすい介護資格の正式名称例
・ホームヘルパー2級 → 訪問介護員2級養成研修課程修了
・ケアマネジャー → 介護支援専門員
・初任者研修 → 介護職員初任者研修
【保有していれば、必ず明記する介護・福祉の資格】
・ケアマネジャー(介護支援専門員)
・介護福祉士
・社会福祉士
・介護職員初任者研修
・ホームヘルパー1級・2級(訪問介護員)
・介護職員基礎研修
・実務者研修
【仕事内容に関係しそうな場合、明記すると良い介護・福祉の資格】
・認知症ケア専門士
・福祉住環境コーディネーター1級・2級・3級
・ガイドヘルパー(移動介護従事者)
・難病患者等ホームヘルパー
・福祉用具専門相談員
・手話通訳士
・介護食士
・音楽療法士
・介護予防運動指導員
・高齢者コミュニケーター
・介護事務(ケアクラーク)
⑧志望の動機・アピールポイント(もしくは特技、好きな学科、得意な科目・分野、趣味など)
履歴書の中で、もっともあなたのやる気やスキル、強みをアピールできる項目です。
つまり、ここが履歴書作成の最重要ポイント。
例えば、志望の動機で「将来性にひかれました」、アピールポイントで「やる気は人一倍です」といったような、あいまいで使い古された言葉では、採用担当者に印象づけることはできません。
具体的な事例をあげ、あなたなりの言葉で自分をアピールしましょう。
⑨本人希望記入欄
希望する勤務地や勤務時間を記入するのが一般的です。
細かな内容については、面接時などに採用担当者と話す機会がありますので、あなたにとって本当に重要なポイントだけシンプルに記入しましょう。
当然ですが、応募先事業者の募集要項とのアンマッチがないことも確認してください。
[例]「夜勤スタッフ募集」に、「夜勤は難しいです」という希望
郵送するときの封筒の書き方
封筒の書き方一つにも、人柄があらわれます。
「たかが封筒」だと気を抜かず、好印象な郵送マナーもおさえておきましょう。
封筒の種類
白色のビジネス用封筒を使いましょう。
提出書類をおりたたまずに入れられる、A4サイズのものをなるべく用意してください。多数の応募がある場合、折り目がなくかさばらない見やすい履歴書は、それだけで採用担当者へのアピールになります。
なお、郵便料金が不足しないよう、くれぐれも注意してください。
表面の書き方
●住所
・略さずに都道府県名から正確に記入し、番地も「−(ハイフン)」を使わず、○丁目○番地○号と記入する
●宛名
・社名は(株)などと略さず、正式名称を記入する
・宛名が社名や部署名などの場合は「御中」、個人の場合は「様」をつけ、「御中」と「様」を併用しない
[例]人事部御中/人事部 ○○様/人事部 ご担当者様
●「〜在中」を記入
・封筒の左下に赤ペンで「履歴書在中」または「応募書類在中」と記入し、四角で囲む
・文字を囲む線はフリーハンドではなく、定規を使ってまっすぐ引く
裏面の書き方
裏面の左下に縦書きで、あなたの氏名・住所・郵便番号を記入します。
封筒を閉じたら、密封マーク(〆)も忘れずにつけてください。
封筒に入れる時の注意
送付状とともに、履歴書、職務経歴書(必要に応じて)を入れます。書類はクリアファイルに入れた方が丁寧です。
送付状には、送付日、宛先、送付者、時候の挨拶、同封した書類内容などを明記します。
パソコンであれば横書き、手書きであれば縦書きで作成しましょう。

面接時で渡す場合の注意点
面接の際に持っていく場合でも履歴書は封筒に入れて提出します。
意外とそのままむき出しで持って来たり、クリアファイルに入れて持ってくる介護職の方もいますが、あまり印象はよくありません。
郵送ではないので郵便番号や住所の記載は必要ありませんが、表面に応募先名と裏面に自分の氏名を記入します。
直接手渡しする場合には、封をしていなくても気にしない施設長などの担当者が多いと思いますが、封をしておいて損をすることはありません。
履歴書を渡すタイミングは、多くの場合は介護施設や事業所などの募集事業所
「履歴書をお預かりしますね」
などと言ってもらえますが、そういった言葉がなければ、面接開始のタイミングで面接官に「履歴書です」と渡せば問題ありません。
上下を逆で持って、相手に読みやすい向きで渡すことを忘れないようにしましょう。
まとめ
履歴書は自分を知っていただく為の情報の一つになります。企業の採用試験官が最も最初に見て判断するのに重要な書類になります。
履歴書を元に採用の有無も決まりますし、また雇用後の処遇手当などの雇用契約書の支給にも大きく関わってきます。履歴書のマナーを把握し採用官にアピールする書類を作りましょう。
面接での履歴書は自分を売り込む為の重要な書類ですので、アピールポイントをしっかりと記入しましょう。保有している資格をしっかりと書く事で、処遇アップにも繋がりますし、嘘や虚偽は履歴書には記載しない様に注意してください。