第8話 かいふくし

ヘルプマン

若者に連れられて、施設の中に入る。

2人の冒険者が座っていた。

どちらも、僕が生き返らした。

冒険者たちだった。

見た目は、あまり変わっていないが、

2人は、普通の若者とは違うことが

一目でわかる。

2人は、よだれや排泄物を垂らしながら、、

こちらを見ている。

まだ、若いのに、状態は酷く進行している様に思える。

「あの後、、目覚めてから、この調子なんだ。治してくれ」

冒険者の若者は僕にすがる。

だが、僕に治せるのだろうか、、

元々の原因を作ってしまったのは、

僕の回復士としての能力のせいなのだから

僕の魔法は不完全なものらしい。

僕はゆっくりと2人の若者に近づき、

手をかざす。光が2人に降り注ぐ。

だが……

何も変わらない。

2人は以前の状態のままだった。

「僕には、、治せない。だが、この症状は知っている」

「この状態を良くする事はできる」

僕は若者に嘘をつく。

僕の知っている知識が正しければ、、

現在。認知症の進行を遅らす事はできるが、

治す事のできる病ではないのだから。

「ここに、、施設をつくろうと思う…少しでも多くの者を、ここに集めてくれ」

僕は若者に告げる。

「ありがとうございます。俺に出来ることがあるなら、何でもお手伝いします」

若者は、目を輝かせながら、僕に感謝を述べる。

僕は、ここに施設を作ろう。

僕がしてしまった事に対しての過ちを少しでも、、

償うことが出来るように…

あれから…

3年の月日が経った……

僕は今、施設の施設長として、若者たちや老人たちの世話をしている。

町はすでに、殆どの者達に認知症を進行してしまった…

町だけではなく、、世界にまでも感染が広まった。

この病気は粘膜感染をしてしまうようだ。

噛まれたり、唾液や血液が自分の身体に入るだけで、

感染してしまう。

僕を始めとして、多くの生き残った者たちが、力を合わせた。

介護職として皆頑張ってくれた。

だが、この病気の感染力は凄まじく。

発症までに個人差がある。

僕も、もうすぐ、自我を忘れてしまう。

少しづつだが、徘徊したりしているようだ。

今になって、昔の事を思い出す。

僕は、異世界に召喚されたのだったな。

たしか、他にも、呼び出された者たちがいたな。

世界を救ってほしいと呼びだされたのに…

僕は、世界を滅ぼしてしまった。

どうか、他の勇者たち、世界を救ってほしい。


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